こんにちは、Cinna(シーナ / @web_cinna)です。
職業訓練の2年コース、長期高度人材育成コースでWebデザインを学んだ記録です。
今回は1年生最初のセッションで学んだ、共感メソッドの授業内容をお話します。
授業の概要

「デザイン思考」のうちの「共感」のプロセスを学ぶ授業です。「デザイン思考」とは、デザインやビジネスに導くイノベーションのための方法論です。
デザイン思考のプロセスとして「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」のステップがあり、今回の授業では最初のステップ「共感」を学びます。
私の通っていた学校ではこの「デザイン思考」を重要としていました。
3時間×全5回(週1日×5週)
本科目では、デザインメソッドプロセスにおけるリサーチや分析のステップに関して様々な手法を試しつつ隠れている本質を探る練習を行います。各回特定のテーマを設けて、共感コミュニケーションのためのフレームワークを通じて見えていない情報をあぶり出すこと・インサイト(洞察)を獲得することが”共感”における最も重要な目的です。インサイトは潜在的なものでユーザーも自覚していません。まずは。ユーザーを自分と同一化して感じることでユーザーと同じ状況になることで(理解・承認・共感)潜在的な事実を探り当てる方法を体感し発見します。
全5回授業のスケジュール
- ディスライク・インタビュー
(共感のためのインタビュー) - ディスライク・インタビュー
(ビジュアル制作) - ディスライク・インタビュー
(制作、プレゼン) - 共感コピーライティング
(経験の共有 / アイディア出し、制作) - 共感コピーライティング
(制作、プレゼン)
共感メソッドの授業は週1×5回でした。第1セッションその他の時間割はこちらの記事にまとめています↓

授業内容をレポート

「共感」というテーマ、そしてこのデザイン思考の授業では”ブレインストーミング”が重要になります。
先生がみんなの発想を自由に引き出せるように先導してくれました!
第1課題:ディスライクインタビュー

2人1組にわかれて「嫌い」をテーマにインタビューし、ビジュアライズします。
ビジュアライズまでの6行程
- ①各自「嫌い」なもの・こと・状況などの対象を付箋に記述する
- 5項目以上10項目以内(1枚に1項目)
- ②2人1組のペアに分かれて、相互に相手に付箋メモを渡す
- ③ヒヤリングを行う。
- 相互に順番に行っても良いし、同時に話し合ってもいい。
- ④それぞれヒヤリングした内容からファクトとなぜなのかを多角的に聞き、相手の気持ちに同調してみます。
- その理由は他でもあてはまる場合があるかどうかを探ります。
- ⑤1枚の模造紙を2人でシェアしながらビジュアライズする。全員で共有することを目的とする。
- スケッチ、イラスト、コラージュ、テキストなどで構成し基本ハンドワークとする。
- ⑥フリーのトークセッションを行う。
- クラス全員で「嫌い」のビジュアライズ模造紙を見ながらセッション
インタビューでインサイトを探る
当時インタビューをした時のメモが残ってました↓

「大きな音」
どんな時にそれを感じるか、どんな音が嫌なのか。
「数学」
小さい頃の思い出、大人になってからを深堀したり。
「人混み」
どんな環境で育ったか。逆にどんな場所なら好きかなど。
本人も気づいていないインサイトを探ることが目標です。自分もインタビューされることで、それで嫌いだったんだーと再認識したり、2人で発見しあったりしました。
「嫌い」をビジュアライズする

先生から模造紙を2人で1枚もらいます。そこに基本は手作業でビジュアル化。
手書きでペンで書いてもいいし、ブレストした付箋を貼ってカテゴリー分けしてもいいし、Illustrator使える人は出力して貼ってもいいし、自由です。
最終的にクラスでプレゼンを行うので、他の人が見てもわかりやすいことが条件です。
私たちペアは2人ともIllustratorが使えたので、分担してパーツを作り、模造紙をエリア分けして自由にデザインすることにしました。共通の嫌いだったジェットコースターは共同で装飾をしました。
クラスでプレゼン、トークセッション
私たちのようにスペースを分担するペアもいれば、イラストが得意な人が描いてもう1人はディレクションするとか、仲良く2人で綺麗に配置するとか、ペアにより模造紙に個性が出ました。
教室を囲むように並べられたホワイトボードに10組の模造紙が並びます。
プレゼンでは模造紙のビジュアルを使いながらペアの相手の「嫌い」をプレゼンします。
インタビューをもとに、〇〇さんの嫌いなものは「人混み」です。なぜなら子供の頃育った環境は〜
といった感じで相手のことみんなに伝える。
プレゼンしながら「わかるー!」ってものや「なんでそれが嫌いなの?!」とか「それが嫌いでこっちが好きってどうゆーこと?!」とかいうこともたくさんあって、クラス全員で自然とフリートークセッション。
まだ訓練が始まって間もないので、この「嫌い」というテーマはみんなの個性が発揮される内容で親近感が湧きプレゼン大会は大盛り上がりでした。
先生の狙い通り、クラス全員で「共感」を体感しました。
第2課題:共感コピーライティング

次の課題は個別で「共感」をテーマにコピーライティング、そしてビジュアライズします。
コピーライティングの勉強として、様々なチラシやコピーライティングのコンテスト作品などの資料を先生が見せてくれました。
「わかる、わかる」ということをテーマに、スケッチブックや付箋にアイディアを書き出します。たくさんたくさん書けるだけ書くのがいいそうです。
先生と1人ずつミーティングをしたりしながら、A3サイズのポスターとしてビジュアライズします。(メソッド授業なのでシンプルなものでOK)
参考になるかわかりませんが、私が作成した合計4枚を載せておきます🙇♀️↓
共感コピーライティングポスター制作

うちの愛犬です。このコピーの通り、この顔見ると「愛しいな〜」といつも思ってしまう(←親バカ)ことからピックアップ。

ほんと現実は可愛くなんてずっといられません😑

共感といえば、女子の会話でよくでる「男前」というので何か作りたいなと思っていたところ、こんな感じに仕上がりました😅

当時、共感を思い返すとすぐに思い浮かんだ友達との会話。他の3作品とは違うテイストで作りたかったので文章スタイルにしてみました。
プレゼンテーション&先生からの講評
最終日にはまたホワイトボードに全員分を貼り出し、1人ずつどういう意図で制作したかをプレゼンします。
1人2〜4枚ほど制作しているので50枚ほどのポスターがずらっと並び、みんなで鑑賞。
「笑える」ものだったり「切ない」ものだったり共感をテーマにみんなのアイディアを見ることはとても面白かったです。
そしてアイディアをさらにビジュアルに落とし込む工夫もすごく勉強になります。
見るだけでなくプレゼンで制作者の意図を聞くとまた違った見え方がしたり。
今回はデザイン思考の「共感」をより”デザイン”に近づけた制作だったので、1人ずつのプレゼンごとに先生から感想やアドバイスをもらいました。
私が作った作品の中ではパンケーキのポスターが先生には好評でした😌
感想
初めてのデザイン思考の授業でした。
たくさんの人とブレインストーミングすることで、自分1人では考えもしなかったアイディアや、他の人のアイディアによって刺激され新しいモノが産まれたり発見できたりしました。
「共感」というテーマは、ユーザーの潜在意識で求めることを掘り下げる作業であり、どんなデザイン、デザインだけでなくいろんな仕事やサービスでもとっても大切なこと。
この授業を通してクラスメイトとの距離感はグッと縮まり、人間中心デザインプロセスを実際に体感した授業でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました
